復活後のイエス様について一番詳しく書き記しているのは、ルカ福音書です。その理由は、ルカ福音書が使徒言行録と同じ著者ルカによって記されているからであり、絶望していた弟子たちが、復活の主と出会い、聖霊降臨の出来事によって福音の担い手に変えられたいきさつを一番証言として受け取ることができたからと言えます。ルカはパウロと共に旅をし、福音が世界に拡がっていく現場を目の当たりにしました。彼は医者でした。42,43節の焼き魚を食べて「生きている証拠」を書きのこした視点はやはり医者としての視点だったと思うのです。イエス・キリストの復活が決して霊的な復活だったのではないと証言したのです。さらに12弟子たちだけに特別にその姿を現したのではなく、聖書に記されていない様々な形でも、主はご自身の復活を示されたと語りました。
13節から35節には12弟子ではないクレオパという弟子と名前が記されていない弟子の二人組が、エマオに向かう道の途中でイエス様と出会ったことが記されています。ルカ福音書10章には72人の弟子を村々に派遣したことが記されていますから、この二人はこの中の弟子たちだったのかもしれません。彼らが、エルサレムに戻って復活の主と出会った事の次第を弟子たちに話しているときに主イエス様が、弟子たちの前に突然現れたのです。驚く弟子たちに対して、主は、釘跡が残る手と足を見せて下さり、焼き魚を食べて見せて、本当の体であることを示されたのでした。
そして、主は語られました。「あなた方はあらゆる国で罪の赦しを得させる悔い改めが私の名によってなされるという証人となる。」と。
さて、私たちは復活の主イエスに出会っているでしょうか?主イエス様のメッセージを受け取っているでしょうか?主は弟子たちの前で魚を食べて見せてくださいました。それほどまでに「私はここに生きている!」ということを教えようとされたのです。証言とはありのままの事実を言うことです。復活の主によってなされたこの身に起きたことを誠実に語りましょう。