弟子たちが集まっていると、激しい風が吹いてくるような音が天から聞こえ、
炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまり、外国の言葉で
神を賛美しだしました。今日の箇所は、彼らを代表したペトロの証しであり、
キリスト教会最初の説教です。その内容は、
① ヨエル書を引用して今が「終わりの時」であることを人々に告げました。
ヨエル書にはこの終わりの時という言葉はないのですが、時が満ち、神の国が
近づいたこと、今が終わりの時であることを人々に説いたのです。そして、ナ
ザレの人イエスこそ、神から遣わされた方であったことを伝えたのです。
② そして彼は主イエス様が十字架の上で死んだのち復活し、天に上げられ
たこと、その方の力によって、今、目の前で不思議な出来事が起きていること
を語ったのでした。
このペトロの説教を聞いた人々は、「大いにこころを打たれ」「私たちはどう
したらよいのですか?」と聞きました。ペトロは悔い改めて、イエス・キリス
トの名前によって洗礼を受け、「邪悪なこの時代から救われなさい」と勧めまし
た。ペトロの勧めに、洗礼を受けた人はその日だけで 3000 人以上になりました。
主イエス様を神の子と信じる人々は、ユダヤ教やローマ帝国から迫害を受け
ながらもローマ帝国内に広まり、380 年にローマ帝国の国教に、392 年にはキリ
スト教以外の宗教およびキリスト教の異端の信仰が禁止され、ローマ帝国唯一
の国教としてのキリスト教の地位が確立しました。こうして非公認の宗教とし
てローマ帝国や民衆から迫害されて来たキリスト教は、国家に保護される側に
なり、逆に異教徒を迫害する側にもなりました。
わたしたちはこのような歴史を受け止めつつ、主からこの秦野に遣わされた
者として復活の主を証ししましょう。主イエス様や弟子たちのように病気をい
やす力はなくとも、異言を語れなくとも、できることはきっとあります。
私たちも、ヨエル書にあるように大いなる幻を見、夢を見ましょう。地の果て
までキリストの愛を伝える新たな旅立ちをいたしましょう。