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6/9 礼拝メッセージ「心のブレーキ」

 1970年制作のドラマ『ありがとう』(水前寺清子主演)を再放送で見ました。まだ女性の社会進出が一般的でない当時より色々な面で便利になりましたが、一方少子高齢化が進み、合計特殊出生率が過去最低の1.20になりました。結婚や子育てできる環境がないことで、結婚や子育ての意欲をそいでしまっています。今日の主題は人間の欲望です。文明の発展は、この人間の欲があればこそ発展してきました。しかし、私たちの欲望は暴走するのです。それが戦争という最も悲惨な出来事につながってしまう。「何が原因であなたがたの間に戦いや争いが起きるのですか。あなたがた自身の内部で争い合う欲望が、その原因ではありませんか(4:1)」。地上の知恵は、己の利することばかりを求めるものであり、競争の原理によって生きることを強いられるのです。

 

 聖書の登場人物もまた、この原理の中で生きざるを得ませんでした。アブラムと甥のロトが別れる原因を「彼らの財産が多すぎたから、一緒にすむことができなかった。」(創13:6)と説明しています。私たちが家に鍵をかけ、警備会社に警備を依頼しなければならないのは、自分たちの財産を守るためです。人を信じる代わりに疑い、そして実際信頼を裏切るために、私たちは疑うのです。2・3節にある言葉は、まさに私たちの姿そのものではないでしょうか。

 

 ヤコブの手紙の著者は、6節「神は高慢なものを敵とし、謙遜な者には恵みをお与えになる」と述べています。私たちが神の前にへりくだる時、神は私たちに豊かな恵みを与えてくださいます。祈りや聖書を通じて、私たちは神との関係を深めることができます。しかし時に自分の罪の大きさに悲しみ、嘆き、泣かなければなりません。また、世の友でなくなろうとすれば、大きな反発や妬みなどからも、違う意味で悲しみ、嘆き、泣かなければならないことも出てくるでしょう。それでも恵みを分かち合うと、新しい喜びが生まれます。それは「お金やモノではないもっと嬉しいものがある」ことを伝えるチャンスの時なのです。