現代は世界の極貧人口の割合が減り喜ばしい半面、アイデンティティから武
力紛争などの新たな課題に私たちは直面しています。「仲間」とそうでない
「敵」という枠組みで分断された状況に、私たちはどのように考え、祈り行動
すればよいでしょうか。9 月に開催された第 4 回ローザンヌ世界宣教会議に参加
しました。聖書から「世界の民族の一員」の日本のキリスト者に託されたこと
を考えます。ノアの子孫から広がる全世界の民族や言葉の違う人々、また一緒
に箱舟に乗った地上の全ての生き物は神の目にかけがえがなく、永遠に滅ぼさ
ないという契約を神は表明されました。神は人類を背く者と知りながら、日本
人も含めて全ての民族の良さを信じて契約を結ばれました。一方、私たちは神
の思いから離れて近代化の尺度で国家に優劣をつけ、いのちを抹殺する国家間
戦争への歴史を歩みました。私たちは未だに違う文化の国々に対して、自国の
価値から他国を羨ましがり、また下に見たりします。人類の究極はヨハ黙 7、21
章に記されるように、主イエスが地上に戻られて新しい天地に転換する時も、
神は国民、民族、言葉の違う民という「区分」を尊重され、それぞれの言葉で
主をほめたたえる集まりという姿に描きます。一つの文化を押し付けられる集
まりではないのです。さて、世界での日本人の信頼性はピカ一です。けれども
四角四面では硬直になり、喜びを生み出せなくなります。アニメなど世界で認
められる日本人の創造性をキリスト教会で生かし、まだイエス様を知らない
方々に信頼され、共に喜び合えたらと思います。日本の近代教育は「画一化」
を目指したと言われ、「出る杭は打たれる」と言います。私が海外で気づき、
聖書の神が求めていた意義ある関係性は、他の人にはない自分の長所に気づ
き、同時に自分にはない長所を他者に見出すものでした。
神様がこの地で皆様に与えられた創造性を生かして、更に喜び溢れる教会を
建て上げ、まだイエス様を知らない若者や年配の方、海外から仕事で来た人々
が集う共同体を建て上げ続けられる事を、共に労してくださる主に祈ります。